怒れる女子
2月18日の記事のつづき。
煽動する人には見えなかったので、〈おーちや。〉をのぞいてみた。おーちようこさんは紙媒体で主に仕事をする人で、モダンアートに強い関心があるというか自身もアーチストで、作品の〈たましいくん〉は写真を見るとやわらかそうであったかそうでユーモラスで、おーちさんの人柄そのものという印象。酒が強くてしょっちゅう飲み会をやってるらしい。たしか別府温泉の劇場の踊り子さんの神業の抱腹絶倒のレポートなんかも書いてる。明和電気の追っかけのようなことも。これだけでセンスに想像がつく。煽動するなんてことから遠く離れた人だ。でも日記をうろうろ読んでいくと、ことさら怒って見せることはしないが、世界の理不尽さへの怒りを隠したりしない人であることがはっきりとわかり、これはこれでまたおどろきだった。
たとえば怪物じみた発行部数の新聞の書評欄は、芸事の発表会のようなもので、お行儀がよくてお上手。ほとんどの書評はそのじつ扱われた本とは関係のない自己完結したようするに中身からっぽの短い文章というべき。そういうものと、おーちさんの書評のちがいはなにか。前回引用した文章は常識的な書評から逸脱してると思うが、そんなことはどうでもよくて、『愚者と愚者』を読んだライターから、切れば赤い血が噴き出す生身の人間の言葉を返された作者としては、小説の幸せをつくづく感じたのです。.
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