ちょろいもさんへの回答
中央公論新社『ぼくが愛したゴウスト』を読んで、「読んでいる自分の存在すらも揺らいでくるような経験」と言ってくれた小学館のI氏は最良の読者。最悪の読者は角川書店『裸者と裸者』担当の二人のS氏。一人が「中公の編集者の意向でああいう本を?」と、もう一人は「なんであんなの書いたんですか」と平然と言い放つので、きみたちの感受性はゼロだと飯田橋あたりのバーでなじったのだが、二人ともへらへら笑うばかりでとりあってくれない。ようするに一冊の小説を読むという行為はどこまでも個人的な体験。業界の内も外もプロもアマもない。ちょろいもさん 日々のちょろいも 2nd 20050525.に「ツメが甘かった気が」とか「昇華できていない感じ」と書かれても甘受するのみ。小説は手にとった読者のもの。著者が口を出す余地はまったくない。でも、ちょろいもさんの問いかけに回答したいので回答する。
だいたいなんでシッポ┅?
なんで硫黄の臭い┅?
「尻尾と腐卵臭とくればあれですよ」
「意味がわかんない」
「性的なこと」
「あなた頭がへーん」
「あれを巧みに使えて、性的に興奮するとあれをより強く放ち、あれがないから感じてる自分を感じることができない女性に導かれて、男の子が異世界で逃避行をつづける物語というのは、はじまりからおわりまで〈性的な夢〉として構築された小説、と解釈するほかないと思いますけど」
「誰が見る夢?」
「たとえば人生の秋に立ち尽くす中年男性」
「なんて言うか┅┅えろぼけ作家?」
愛されなかった小説を愛してほしいと言っているわけではありません。
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コメント
はじめまして。
TBありがとうございました。ご紹介いただきました「日々のちょろいも」のちょろいもです。
毎日ただ単に「好きだから」というだけの理由で小説を読み散らかしています。わたしのHPに挙げているのはあくまで「感想」であって「書評」ではありません。今回は冷や汗をかかせていただきました…。
読み込みの甘い読者の素朴な疑問に真摯に答えてくださったその姿勢に感動しました。
「はじまりからおわりまで〈性的な夢〉として構築された小説」と言われてナルホド、と思っているようではまだまだですね。
『覇者と覇者』の出版を心より楽しみにしております。
今後もますますのご活躍をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
投稿: ちょろいも | 2007年3月20日 (火) 13時19分