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2007年4月

学生と非正規雇用と失業中の人をのぞく図書館派のみなさんへ

 『愚者と愚者』の装丁問題に関して高校生男子の朝之風さんhttp://wind.ap.teacup.com/applet/asitanokaze/15/trackbackは迷うことなく「こちらの表紙の方が僕は好きですね」と書く。その前段の文章を紹介する。

今回の感想を書くにあたって、Yahoo!!で「打海文三」と検索したところ、どうやら「裸者と裸者」の続編「愚者と愚者」が10月1日に発売していたそうです。こちらも近いうちに買って読んでみようかなと思います。それにしても、上下巻両方買うと3000円か……。高いな。

 たしかに高いよな。でもこの高校生男子は「裸者と裸者」を買ってくれたようで、そのうえ「愚者と愚者」も買う気だぞと思ったら胸が熱くなった。
 学生と非正規雇用と失業中の人をのぞく
 図書館派のみなさーん。
 売れない作家の本は、できることなら本屋さんで買いましょう。本屋さんも出版社もよろこぶし、なにより売れない作家がつぎの作品を書けるようになります。




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叱られて

 高校生男子の朝之風さん[: Wind of Tomorrow. ]http://wind.ap.teacup.com/applet/asitanokaze/15/trackbackに『裸者と裸者』の書評で叱られた。

ところで、この物語、戦争物であるからかもしれませんが、物語の随所にエッチなシーンが入っています。量的には、佐々木海人という男が主人公である上巻が多いのですが、エッチなシーンの内容がいかがなものかと思われます。

 ひっくり返った。読んでくれただけでうれしい。叱られて恥ずかしい。なんと言っても高校生男子がちょっとジジくさい教育者ふうの口調でわたしの暴走に苦言を呈するっていう構図がおかしい。このくだりを池上冬樹さんに紹介すると、ほんとだよ、いかがなものか、と悪ノリ。





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H市で小説講座

昨日、市民会館で小説講座。出席者6人。提出作品5。T嬢からおにぎりと漬物、O嬢からイチゴの差し入れ。もぐもぐおいしくいただきながら5人の女性が早速M男さんをセクハラ。彼女とうまくいってるのか。彼女の家の近くに引っ越した理由はなにか。髪を染めたのは彼女の指示か。彼女の写真はないのか。セクハラ終息後に講評。会員のみなさんの平均年齢がかなり高めとは言え結婚観やジェンダー観がいかにも古すぎ。O嬢には修羅場の出てこない恋愛小説を要望。「卓也、私、家を出てきたのよ。ここで一緒に暮らしてもいいんでしょ」こんなこと言われたら無言で逃げちゃいますね。E嬢がそれはちょっとひどいんじゃないのと。男からそう言われたらEさんなら蹴り出して塩でも撒くはず。あははそうかもね。出席者の半数が独身であるけれど次回のお題は「離婚しました」と肯定するひびきの声で告げる。わあとかきゃあとか。それは先生の願望でしょと誰かのツッコミ。懇親会でピアノ教師のM嬢が「じつはわたし先生のことを陰でエロ仙人と呼んでます」と告白。誉め言葉ですよとE嬢がフォロー。






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14歳の感受性さえあれば

読者を想定して書くのか。想定して書く。14歳の読者を。読みやすいとは言いがたい『ハルビン・カフェ』(02年角川書店)も、14歳の、どういうわけかこのときは男の子の読者を頭にうかべながら書いた。14歳の感受性さえあれば、あの小説を愉しめなくとも、14歳の男の子がこれまで知らなかった暗く重く熱っぽい官能的な世界に触れることは可能で、触れることさえできたら、それだけで有意義な読書体験になると思う。
『裸者と裸者』(04年角川書店)と『愚者と愚者』(06年角川書店)の場合は、14歳のとりわけ女の子に読んでほしいと願いながら書いた。この企てに呼応してくれる声を聞くと、わたしは胸のうちで喝采する。
ミクシィの『愚者と愚者』のレビューでミックママさんが書いている。

「女の半分は悪党だろ」
素晴らしい!! 中学生はよほど早熟な子でないと難しいだろうけど、なべて高校生の課題図書にすべきだ。








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『愚者と愚者』の装丁を擁護する

評判がよくない。(イラストを描いてくれた帝国少年さんの絵の評価とは関係ないことですが)ネットでは印象として半分ぐらいの人があの装丁ではだめと。ラノベの読者に媚びているんじゃないのかというキツーイ声も。想像もしなかったのでちょっとおどろいた。わたしが鈍感なのか。鈍感なのだろう。
知り合いの書店員さんにも言われた。
「表紙がいけません、いけません、文庫になった際は、クールでソリッドなやつで!」

角川書店のS氏の言葉を正確に再現すれば、
「ヲタクの読者にもとどけたい」
と帝国少年さんを推薦。
そのときのわたしはラノベがライトノベルの略だとはたぶん知らず、腐女子とボーイズラブにはまったく無知、というレベルだったが、ヲタは(いまでは腐も)健全な逃避をする人だと思うから、そういう人たちにぜひ読んでもらいたいし愉しんでもらえるはずだと、ためらうことなくS氏の提案に賛同。

本の中身にふさわしい装丁かどうか。
戦争に加担する罪深い子供と女性たちを主役に据えたエンタメ小説を企てるとき、どのように物語ればそれがエンタメ小説として成立するかを考えるわけで、わたしが選択したのは、戦争の酷さを可能なかぎり写実しつつ、そのうえで快活にまぬけにロマンチックにセンチメンタルにスペクタクルに物語ること。
本の中身にふさわしい装丁だと思う。

反対する理由があるとすれば、ある年齢層とかある文化的傾向の人が手を出しにくいということぐらい。でも『裸者と裸者』を買ってくれた人のデータはない。あの装丁で売れるか売れないかを判断することはできない。もう結果は出ているが、装丁が影響したかどうかを判断するためのデータはない。

帝国少年さんのイラストに賛同した理由はもう一つある。
知り合いの書店員さんに、わたしは言い返した。
「そんなに悪い装丁だとは思ってません。中学生や高校生に読んでほしいからね!」







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